【Nature誌発表】妊娠中のリラックスは「最高のスキンケア」。赤ちゃんの湿疹リスクを減らすためにできること

妊娠中のみなさま、ゆったりした気持ちで過ごせていますでしょうか。

私はせっかちな性格ですが、妊娠中の今は特に ゆったりした心持ちで過ごすよう心がけています。

今日は 妊婦さんのストレスについて、世界的にも権威のある科学誌『Nature』で2025年8月に発表された興味深い内容を ご紹介させていただきます。

昔から『妊婦さんのストレスは赤ちゃんに良くない』と、経験的・統計的に言われてきました。

実際、数万人規模の調査でも、妊婦さんのストレスがこどもの湿疹を増やしてしまうという結果が出ています。

でも、『なぜ、妊婦さんのストレスが こどもの肌の問題になるのか?』

その具体的な仕組みはずっと謎のままでした。

それを、フランスの研究チームが世界で初めて『細胞レベルの証拠』として突き止めたのです。

ママが強いストレスを感じると、体内で「ストレスホルモン(コルチコステロン)」が上昇します。これが赤ちゃんの血液や羊水に届いて、赤ちゃんの肌にある「肥満細胞(マスト細胞)」が、そのホルモンに反応して「刺激に対して敏感な設定」に書き換えられてしまうのです。

いわば、肌の「見張り番」が、生まれる前から過剰にピリピリした状態になってしまうということ。そうなって生まれてきた赤ちゃんは、少しの刺激(摩擦など)にも肌が反応しやすくなり、乳児湿疹を引き起こしやすくなることが分かりました。

(実験では、この細胞がないマウスでは湿疹が起きなかったり、逆にホルモンをブロックするとストレスがあっても湿疹が防げたりと、かなり決定的な証拠が示されています。)

ただ、安心してください。
この「敏感な設定」はずーっと続くわけではありません。成長して大人になると、この過敏な細胞は骨髄で作られた新しい細胞へと入れ替わり、一掃されることが示唆されています。

乳幼児の湿疹は、「アレルギーマーチ」(食物アレルギー、喘息、花粉症へとドミノ倒しのように続く連鎖)のスタート地点と言われています。赤ちゃんの肌バリアを保つことは、これらの連鎖を未然に防ぐことにも繋がります。

今回の報告はマウスでの実験ですので、人間にそのまま全てが当てはまるわけではありません。また、成長とともに細胞がリセットされることも分かっています。「ストレスを感じちゃった、どうしよう!」と、過度に心配しすぎる必要はありません。

ただ、この論文を読んで、私は「妊婦さんに接する時は、周りの人がより優しく、リラックスできる環境を作ってあげることが、医学的にも大切なケアなんだな」と改めて感じました。

ちなみに、せっかちな私が妊娠中に行っているストレス対策は…

合言葉の「なんくるないさ〜」です。

長女がなかなか着替えてくれなくて、「遅刻しそう!」という時も、

「事故なしで無事に着ければ、最低ラインはクリアでしょ、なんくるないさ〜」。

カンペキを求めなくて大丈夫。 お腹の中で新しい命を育てている、それだけであなたはもう100点満点です! ハードルをぐーっと下げていきましょう。

いかがでしたでしょうか。 少しでも、頑張る妊婦さんの心が和らぎますように🙏

出典: Serhan, N., et al. “Maternal stress triggers early-life eczema through fetal mast cell programming.” Nature (2025). [PMID: 40866704]

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